最近、「トランス女子」の受け入れを表明した大学が話題となっています。
なぜその大学は受け入れを決めたのか、理由に注目が集まっています。
本記事では、受け入れ大学とその背景について、最新情報をもとに解説します。
トランス女子:受け入れた大学はどこ?

トランス女子を受け入れた大学を見ていきましょう。
大学名 | 受け入れ開始年度 | 補足・特徴 |
---|---|---|
お茶の水女子大学 | 2020年度 | 国内初の受け入れ表明 |
奈良女子大学 | 2024年度 | 国立女子大として2校目 |
日本女子大学 | 2024年度 | 私立女子大でも受け入れ |
津田塾大学 | 2025年度 | 全学部・大学院で受験資格を認定 |
福岡女子大学 | 2029年度 | 九州初、全寮制で議論も |
宮城学院女子大学 | 不明(2025年時点) | 受け入れ方針を表明 |
ノートルダム清心女子大学 | 不明(2025年時点) | 受け入れ方針を表明 |
受け入れている割合


2025年時点で、日本の女子大学(約73校)のうち、
トランス女子の受け入れを表明または開始している大学は6校です。
この割合は**約8.2%**となります
画像から見てもわかるように、毎年少しづつ増えてきているのが確認できますね。
トランス女子:なぜ受け入れたのか?

公式にトランス女子受け入れの方針や理由を発表しています。
6校それぞれの主な理由を見ていきましょう。
お茶の水女子大学

- 創立:1875年(日本初の国立女子高等教育機関)
- 所在地:東京都文京区
- 学部:生活科学部、文教育学部、理学部 など
- 特徴:女性の高等教育とリーダー育成に注力
- 特色:多様性・ジェンダー平等を推進、日本で初めてトランス女子の受け入れを公式表明
- 教育理念:「学ぶ意欲のあるすべての女性に夢の実現の場を提供し、多様性を包摂する女子大学と社会の創出を目指す」

日本で初めてトランス女子の受け入れを公式に表明した女子大学です。
多様性を尊重し、すべての女性が安心して学べる環境づくりを進めています。
- 受け入れ開始:2019年度より
- 受け入れ対象:戸籍上は男性でも「女性」としての性自認があるトランスジェンダー女性
- 公式方針: 「学ぶ意欲のあるすべての女性に、夢の実現の場を提供し、多様性を包摂する女子大学と社会の創出を目指す」
- 背景・理由:
大学のミッションに基づき、多様性と人権を尊重し、社会の変化に対応するため
- 選考基準:
入学時に性自認を申告し、一定の条件を満たす場合に受験資格を認定
奈良女子大学

- 創立:1908年(日本で2校目の国立女子高等教育機関)
- 所在地:奈良県奈良市
- 学部:文学部、理学部、生活環境学部 など
- 特徴:女性の知的自立と社会的展開力の育成に注力
- 特色:時代や社会の変化に柔軟に対応し、ジェンダー平等・多様性を推進
- 教育理念:「社会における女性の知的自立と知的展開能力の獲得」を基本理念とし、変化する社会に対応できる女性リーダーを育成」

奈良女子大学もトランス女子(戸籍上男性でも「女性」として性自認する方)の受け入れを公式に表明している国立女子大学です。
お茶の水女子大学に続き、2020年度から学部生、2021年度から大学院生の受け入れを開始しました。
- 受け入れ開始:2020年度より学部学生、2021年度より大学院生
- 受け入れ対象:戸籍上は男性でも「女性」としての性自認があるトランスジェンダー女性
- 公式方針:
「自らの性を『女性』と自認する者に学ぶ権利を積極的に保障することは、国立大学法人たる女子大学としての責務」とし、国際的動向や社会の変化に対応
- 背景・理由:
国際的な性別の定義の変化や社会的要請を受け、女性としての性自認を持つトランスジェンダー女性にも学ぶ権利を保障するため
- 選考基準:
入学希望者は性自認を申告し、出願前に大学側と面談を実施。受験時や学生生活での配慮事項を相談し合意形成を図る
宮城学院女子大学

- 創立:1886年(東北地方最古の女子総合学園)
- 所在地:宮城県仙台市青葉区桜ヶ丘
- 学部:現代ビジネス学部、教育学部、生活科学部、学芸学部
- 特徴:キリスト教精神に基づくリベラルアーツ教育、女性の知的自立と社会貢献を重視
- 特色:伝統と多様性を両立し、共生社会の実現を目指す
- 教育理念:「神を畏れ、隣人を愛する。」をスクール・モットーとし、すべての人の人格を尊重し世界の平和に貢献する女性を育成」

開学70周年を迎える2019年度「共生のための多様性宣言」を表明し、本学で学ぶことを希望するトランス女性(戸籍上男性であっても性自認が女性である人)を受け入れることを決定
https://news.mgu.ac.jp/news/4532.html
ノートルダム清心女子大学

- 創立:1886年(1949年大学設置、中四国地区初の4年制女子大学)
- 所在地:岡山県岡山市北区伊福町
- 学部:文学部、人間生活学部、国際文化学部、情報デザイン学部など
- 特徴:カトリック精神とリベラルアーツ教育を基盤に、真の自由人の育成と社会貢献を重視
- 特色:少人数制教育、国際交流・地域連携が充実
- 教育理念:「心を清くし 愛の人であれ」を基盤とし、真なるもの・善なるもの・美なるものの追求と人格形成を重視」

2023年度からトランス女子の受け入れを公式に開始し、
多様性を尊重した先進的な取り組みを進めています
- 受け入れ開始:2023年度より学部・大学院で実施
- 受け入れ対象:戸籍上男性でも「女性」として性自認するトランスジェンダー女性
- 公式方針:
「多様な女性のうちの一人」としてトランスジェンダー女性を受け入れ、自分らしく生きられる共生社会の実現を目指す
- 背景・理由:
教育理念のもと、多様な一人ひとりが活躍できる社会を目指し、共生社会に向けて学びの機会を提供
- 選考基準:
性自認の申告に基づき、受験・入学の相談やサポート体制を整備
日本女子大学

- 創立:1901年(日本初の組織的な女子高等教育機関)
- 所在地:東京都文京区目白台
- 学部:家政学部、文学部、人間社会学部、理学部、国際文化学部、建築デザイン学部、食科学部(2025年度新設予定)
- 特徴:私立女子大学で唯一理学部を有し、文理融合の教育環境を持つ総合女子大学
- 教育理念:「女子を人として、婦人(女性)として、国民として教育する」という三綱領を基盤に、個性と教養を磨き社会で活躍できる女性の育成を目指す」

2024年度からトランス女子の受け入れを公式に開始し、
すべての女性が安心して学べる多様性包摂の環境を整えています
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%A4%A7%E5%AD%A6
- 受け入れ開始:2024年度入学者より実施
- 受け入れ対象:出生時に割り当てられた性別が女性以外で、性自認が女性であるトランスジェンダー女性
- 公式方針:
「多様な性を生きる私たちすべての課題ととらえ、真摯に向き合うとき、女子大学としての本学の使命はさらに更新されていく」とし、すべての女性が共に学べる環境づくりを目指す
- 背景・理由: 多様性の尊重と人権意識の向上、社会的責任を踏まえ、4年間の準備期間を経て受け入れを決定
- 選考基準:
性自認を申告し、ガイドラインに沿って出願資格を確認
津田塾大学

- 創立:1900年(日本の女子高等教育発展の先駆け)
- 所在地:東京都小平市(本部)・千駄ヶ谷キャンパス
- 学部:学芸学部、総合政策学部、理学部、データサイエンス学部
- 特徴:リベラルアーツと理系教育の両立、女性の社会進出支援に注力
- 教育理念:「女性の自立と社会的地位向上」を掲げ、知性・品性・実践力を養う

2025年度からトランス女子の受け入れを公式に開始し、
多様性と共生社会の推進に積極的に取り組んでいます
- 受け入れ開始:2025年度入学者より実施
- 受け入れ対象:出生時に割り当てられた性別が女性以外で、性自認が女性であるトランスジェンダー女性
- 公式方針:
「多様な女性のあり方を尊重すること」を基本方針とし、共に学ぶ環境を整備。21世紀の女子大学のミッションとして多様性共生社会の構築に貢献することを掲げている。
- 背景・理由:
社会の多様性尊重や人権意識の高まり、国際的な流れへの対応、そして学生や教職員からの要望を受けて決定
- 選考基準:
性自認を申告し、ガイドラインに沿った出願資格の確認と個別相談体制を整備
よくある質問(FAQ)
まとめ
トランス女子を受け入れる女子大学が増え、多様性とやさしさが広がって欲しいですね。
誰もが自分らしく、安心して学べる場所を目指して、大学も一歩ずつ前進していると感じたので、
これからも、すべての人が温かく迎えられる社会へと歩み続けていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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